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ARTISTS

Yuko Nasaka

名坂有子

1938- (昭和13年~) / 日本

名坂有子 「作品」 ラッカー、樹脂系絵具、接着剤、石膏、板
1966年 (大阪市立近代美術館建設準備室)

大阪府に生まれる。1959年樟蔭女子大学別科生活専修を卒業。しばらくは作家として無名の存在だった。1962年第15回芦屋市美術展に段ボールに無数の穴をあけた作品を出品。15周年記念賞と市長賞を受賞して注目を集めた。吉原治良に師事し、1963年具体美術協会の会員となって解散まで在籍。「具体」第2世代のメンバーとして活躍した。
一貫して円のイメージを用いて、絵画と彫刻、平面と立体の間を行き来した創作活動を続ける。ドリルで画面に穴を開けた作品や、ろくろを回転させた痕跡による同心円のレリーフ状の作品、樹脂やアルミ等の工業用新素材を用いた作品、無数の水玉模様の作品、マグネットを用いたキネティック・アート、無数の突起物のあるアルミダイキャストの作品など、素材や技法の異なる多様な円を生み出している。
名坂の円の特徴は、同一イメージの反復やユニットの集積のみで作品が成り立つ表現にある。シンプルな画面構成が、円の色と形、質感の美しさを際立たせる。また、円同士が重なりながら繰り返し現れる光景は、背後に広がる静寂な無限の空間までを暗示する。
1965年第9回シェル美術賞展で佳作賞受賞。1987年‘87IBM絵画・イラストコンクールで優秀賞受賞。夫・名坂千吉郎も「具体」後期からの会員。

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