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ARTISTS

Alfred Sisley

アルフレッド・シスレー

1839-1899 / フランス

アルフレッド・シスレー 「春の小さな草地」
油彩 キャンバス、1881年頃(ロンドン、テートギャラリー)

パリで造花輸出業を営むイギリス人実業家の裕福な家庭に生まれる。1857年から1860年にかけて商業の勉強のためにロンドンに行き、コンスタンブルやボニントン、ターナーなどイギリス絵画の伝統に触れた。1862年にパリに戻って国立美術学校に入学。シャルル・グレールのアトリエでクラスメートだったモネやルノワール、バジーユと早くから親交を深め、しばしばフォンテーヌブローの森で一緒に制作した。
スタジオで絵を描くことより戸外で風景画を制作することを選んだ。1866年、68年、70年のサロンに入選。初期の風景画は19世紀絵画、コローやクールベ、バルビゾン派の影響が認められる。やがて色彩は明るく柔らかな調子に変化した。1860年代は父親の援助によって経済的に恵まれた立場にあった。1870年の普仏戦争勃発に伴い一家が破産、さらに父親が死去する。以後は各地を転々としながら困窮した生活を送った。フランスの市民権を得ようと申請するも、2度却下され果たせずに終わっている。
1874年の第1回から印象派展に出品し、合計4回参加。生前は世間的にあまり認められなかったが、常に自然を主題としながら印象派の技法を堅持した、もっとも印象派らしい画家だったといえる。作品のほとんどがイル=ド=フランスの川や運河の控えめで穏やかな風景画に限られ、人物、室内、静物などの画は極めて少ない。自然に対する誠実で素朴な感情を持ち続け、新しい光の表現を追求した。イギリスの伝統に倣った横長の奥行きある構図で、画面の多くを空が占めており、作品内部には澄み切った絵画空間が広がっている。

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