ARTISTS

Marc Chagall

マルク・シャガール

1887-1985 / ロシア

マルク・シャガール「誕生日」
1915年80.6 x 99.7cm（ニューヨーク近代美術館）

1887 年帝政ロシア領ヴィテブスク(現ベラルーシ)に生まれる。ユダヤ人両親のもと、自身も敬虔なユダヤ教徒として育つ。地元の美術学校で学び、1910 年にパリに赴く。キュビスムが注目されていた頃のパリで、エコール・ド・パリの画家たちや、ギヨーム・アポリネールら詩人たちと交流した。キュビスムだけでなくフォーヴィスムやシュプレマティスム、シュルレアリスム、象徴主義などさまざまなスタイルを吸収しながらも、物語性のある具象画にこだわり続け、しだいに頭角を表す。1915 年ベラと結婚。ベラは生涯描かれるモデルとなり、愛や結婚を主題とした作品を多く残したため、シャガールは「愛の画家」と呼ばれる。結婚の前年である1914 年には、ドイツで初個展を開催。ロシアでの展示も成功させ、富裕層のコレクターの間で人気が高まっていった。しかし第一次世界大戦が勃発し、1917 年にはベルリンへ亡命、その後ナチスによるユダヤ人迫害やフランス占領が進み、1941 年にはアメリカに亡命する。その頃既に国際的なアーティストになっていたシャガールは、ニューヨーク近代美術館で回顧展を開催し成功を収める。しかし二次大戦中、妻ベラが感染症にかかり48 歳の若さで死去。悲しみに暮れたシャガールは一時制作をやめてしまうほどであった。晩年は再婚し、南仏のヴァンスに定住。彫刻、セラミック、ステンドグラス、タペストリーなど制作の幅を広げ、70 代になってから、国を代表する歌劇場であるオペラ座の天井画を依頼される。1973 年にはニースに国立マルク・シャガール美術館が設立。1985 年97 歳で死去。

日本では青森県立美術館が、バレエ『アレコ』のための舞台背景画3 点を収蔵・展示している。