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Moïse Kisling

モイーズ・キスリング

1891-1953 / フランス

モイーズ・キスリング 「赤いセーターと青い
スカーフを纏ったモンパルナスのキキ」
油彩・キャンバス 1925年
(ジュネーブ プティ・パレ美術館/近代美術財団)

ポーランドのクラクフに、ユダヤ人の仕立屋の子として生まれる。地元の美術学校で印象派の画家ジョセフ・パンキエヴィッチに学んだ後、1910年19歳でパリに出た。1912年モンマルトルの安アパート「洗濯船」に住み、ピカソ、ブラック、ドランらと知り合う。同年サロン・ドートンヌとアンデパンダン展に出品。1913年にはモンパルナスに移り、モディリアーニとは、彼の死の直前まで親しく交流した。
パリに来て数年のうちにモンパルナスの花形作家となる。1919年の最初の個展も好評を博し、貧しさとは無縁の生活だった。社交的で多くの仲間から愛され“モンパルナスのプリンス”と呼ばれる。第一次世界大戦では外国人部隊に参加。戦傷を受けて1916年パリに戻り、フランス国籍を取得。第二次世界大戦中はアメリカに亡命し美術学校の教授となったが、1946年再びパリに帰った。
セザンヌを敬愛しキュビスムの影響も受けたが、独自の画風を確立したのは、1910年代の終わりから1920年代にかけてのことである。華やかで洗練された色彩と素朴なフォルムで、主に女性や花をテーマに、簡潔な画面構成の中に描いた。陶磁器のように滑らかで冷たい質感の肌を持つ女性の肖像は、上品さや官能性も入り混じったような独特の透明感を放ち、特に人気を得た。大きな瞳でどこか一点を見つめ、感傷的な気分をほのかに漂わせる。

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